秋を感じる季節になりました。秋の夜長にちなんで、夜中の歯の痛みの応急処置をお伝えしようと思います。
夜中に急に歯が痛みだしたり、仕事中に激痛に襲われたりしたことのある方も、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、すぐに歯医者さんに駆け込めればそれに越したことはありません。でも、そうできないときもけっこうありますよね。そんなとき、まずはどんな応急処置をしたらいいのでしょうか。簡単にできる具体的な方法を少し覚えておきましょう。
まず、一番簡単な方法は、市販の痛み止めを飲むことです。たいていのお家には痛み止めが常備してあると思いますから、注意事項にそって服用し、痛みを一時的に抑えましょう。そうすることで、歯科医院に行くまでの少しの時間、なんとかしのぐことができます。
また、痛みがあり炎症が起こっていると思われる部分を、冷たいもので冷やすのも有効です。歯の痛みは、歯の中の血流が増して血管が膨れ、神経を圧迫することによって起こります。血液の流れを遅くすることにより、痛みを和らげることができるのです。具体的には「冷えピタ」などを張って外側から冷やす方法と、冷水や氷を口に含んで、歯を直接冷やす方法があります。
さて、歯痛の原因はさまざまですが、実は食べカスが痛みを増幅させていることもあります。食べカスが虫歯の穴や、歯茎に詰まっていると、歯の神経を圧迫してしまうのです。その場合は、歯ブラシなどで「注意深く」食べカスを取り除くことで、痛みを軽減できることがあります。
最後に、日本人にはおなじみの「正露丸」を使った方法があります。
意外にも「正露丸」の効能の一つには、歯の痛みを抑えることがあります。ですから「正露丸」を適量取り、虫歯の箇所に詰めることによっても、痛みを一時的に抑えることができます。
ギュウギュウに詰めると痛みが増すことがありますので注意が必要ですし、独特の臭いと味、色がお口の中に広がるのでおすすめできる方法ではありませんが。
上にあげた方法は、どれも簡単で、すぐできるものですが、あくまでも応急措置に過ぎません。ちょっとしたケガのように自然治癒することはありません。
虫歯があるということは、歯が虫歯の原因菌に感染しているということですから、早めに治療して、感染を食い止めなければなりません。
補足なのですが、歯が痛む時にしてはいけないことは
1・激しい運動 2・入浴 3・喫煙 4・飲酒 5・炭酸や甘味の摂取です。
どれも血流を増加させたり、歯に刺激をあたえたりと痛みが増大します。中でも飲酒は、一次的には痛みが治まりますが、後々強い痛みが襲ってきます。
虫歯になってしまった方の多くは、何もしていなくても歯がズキズキと痛む、という段階になって初めて歯科医院を訪れるようです。しかし、この段階では、たいてい「歯髄」と呼ばれる、歯の神経まで虫歯が達してしまっている状態です。
多くの場合は神経を抜かなければいけません。いいづか歯科では、皆さんが定期的に訪れて、虫歯を早期に発見するようお勧めしています。