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TCH(歯列接触癖)とは?

2018年11月28日


TCH(歯列接触癖)を知っていますか?

顎関節症などあごの痛みを抱える方で、「自分は普段歯ぎしりもしないし、歯を食いしばることもない」という方が意外に多くいらっしゃいます。しかし、顎関節症はみなさんが考えているより、ずっと軽度の歯の接触でも起こりうる、ということを少しご説明します。

キーワードは” TCH “という言葉です。これは「Tooth Contacting Habit」の略で、日本語では、「歯列接触癖」と呼びます。意外に思われるかも知れませんが、人間の上の歯と下の歯は普段何もしていないときは触れていません。ご自分でも確認してみてください、逆に意識的に上の歯と下の歯をくっつけようとするとなんだか違和感がありませんか。

「噛み続け癖」などと呼ばれることもあるこの癖は、食べていない時に、不必要に上下の歯を接触させ続けてしまうというもの。歯ぎしりや歯をくいしばる癖とは違い、意識せずに上下の歯が触れている状態のことです。

そして、上の歯と下の歯はくいしばったり、歯ぎしりしたりするレベルに至らなくても、ちょっとした接触を繰り返す、それが癖になっていると、顎関節やあご部分の筋肉に疲労や緊張を与えることになりかねない、ということなのです。これはある種の「癖」ですから、無意識のうちに上の歯を下の歯を触れさせている可能が高いと言えます。

もちろん、この癖があるからといって必ず顎関節症になるというわけではありませんから、あごに痛みがなければそのまま特に気にしなくても良いのですが、もしもあごの痛みが気にあるようなら、ちょっと自分の習慣を見なおして、TCHをもっていないか、を分析してみましょう。

「自分で気づかないうちにしているのに、いったいどうしたら?」と思われるかも知れませんが、私たちがよく提案するのは、なにかリマインダーの機能をもつものを使うことです。例えば、仕事の最中に上の歯、下の歯がくっついているかもしれませんから、パソコンの横など目のつきやすいところに何かマークなるようなものを貼っておき、それが目に入ったら、自分の歯がくっついていないかどうかをチェックします。

また、日常の生活でも歯がくっついていることがわかったら「ほっ」と息を吐いてリラックスすることも効果があります。何よりも、それがわかったら歯医者さんへ行くことをおすすめします。

原因はストレスやスマホの使い過ぎなど様々ですが、顎だけではなくひどい場合には歯が割れてしまうこともありますので注意が必要です。

いいづか歯科では皆さんが、歯や歯茎、そして顎などお口周辺の悩みがなく、健康的に生活して下さることを願っています。少しでも不安のある方はぜひともご相談ください。

インフルエンザとお口の関係とは?

2018年11月20日


インフルエンザの季節がやってきました。
インフルエンザ対策として、まず思い浮かぶのは手洗いやうがい、マスク、ワクチン接種ですが、あまり知られていないのが、口腔ケアです。

口腔ケアでインフルエンザが10分の1に!

お口には食べる、話す、呼吸するといった役割がありますが、お口は細菌やウイルスの入り口でもあります。そして、この季節に猛威をふるうのがインフルエンザウイルスです。
 インフルエンザの予防対策としては、手洗いやうがい、ワクチン接種などがありますが、口腔ケアも、インフルエンザ予防に有効なことをご存じでしょうか。
 ある調査では、介護施設で高齢者を対象に、歯科衛生士が口腔ケア(口腔清掃や清掃の指導)を実施したところ、通常の口腔清掃をしていた施設に比べ、予防接種の有無にかかわらずインフルエンザの発症が10分の1に抑えられた、という報告もあるほどです。

歯周病菌の出す酵素が インフルエンザの感染を助長

お口の中には、約700種類もの細菌が生息しており、これらの細菌は唾液中に酵素を出しています。「プロテアーゼ」や「ノイラミニダーゼ」といった酵素には、口やのどの粘膜を保護しているたんぱく質を破壊する作用があるため、口の中が不衛生で細菌が多い状態が続くと、のどの粘膜が荒れてきます。その結果、さまざまなウイルスがのどの粘膜に取り付きやすくなり、取り付いたインフルエンザウイルスが体内に入り込んでしまうと、インフルエンザを発症してしまうのです。
 特に、歯周病菌が出す酵素は抗ウイルス薬では抑制できないため口腔内を不潔にしておくと、インフルエンザウイルスの感染を助長します。

お口の中は細菌にとって天国

 お口の中の体温は、通常37℃前後に保たれており、唾液によって潤っています。ここに細菌の栄養分となる食べかすなどが常にあると、温度、湿度、栄養の条件が揃っているお口の中は、細菌が繁殖するには最適な環境となります。
 唾液には口腔内を自浄する作用がありますが、特に唾液の分泌が減少し、咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ )機能の低下で口腔内が乾燥しているご高齢の方は、お口の中が汚れやすくなっています。また、免疫力も低下していますから、お口の衛生状態が良くないとインフルエンザウイルスに感染しやすく、感染した場合は、重症化する危険性が高くなります。

 口腔内の細菌は、歯の表面だけではなく舌やのどの粘膜にも多く存在しています。インフルエンザ予防には手洗い・うがい・予防接種とともに、適切な口腔ケアを行い、口腔内の細菌数を減少させることも大切です。

いいづか歯科では、皆さんが適切な口腔ケアによって今年の冬を元気に過ごせるように願っています。

糖尿病とお口の関係とは?

2018年11月13日

糖尿病とお口の関係で知っておいてほしいことがあります。一つは糖尿病と歯周病のお互いの関係、もう一つは「かめない」ことによる糖尿病への影響についてです。
 歯周病は細菌を原因とする炎症性疾患で、歯肉に炎症を引き起こし、歯を支える骨を破壊する病気です。歯周病は「糖尿病の第6番目の合併症」とも言われ、両者は密接な関係にあります。
 例えば糖尿病(2型糖尿病)の方は、そうでない方に比べて歯周病のリスクが2.6倍高いと言われています。
 また、歯周病はお口の中の慢性疾患なのですが、細菌が出す毒素や炎症性物質が、血糖値をさげるインスリンを効きにくくします。そのため、2型糖尿病では、歯周病の治療を受けることで血糖値が改善できる可能性があります。実際に日本糖尿病対策推進会議でも、歯周病の治療を受けることを推奨するポスターを配布しています。
 皆さんがいいづか歯科を受診する際には、歯周病の治療効果を上げるためにも、糖尿病をお持ちかどうか、現在治療中かどうかを必ずお伝えください。

 もう一つの「かめない」ことについてお伝えしようと思います。むし歯や歯周病などで歯を失う、「かむと痛い」などの症状があったりすると、かみにくくなります。食べ物がよくかめないと、硬い食品を避け、穀物や砂糖、油脂が豊富な柔らかい食品を好むようになります。これらの食品はカロリーが高く、血糖値上昇が著しい傾向にあり、野菜などの繊維質も避けることで、ビタミンやミネラル、食物線維などの摂取量が不足してしまい、糖尿病を悪化させる可能性があります。
 また、高齢者ではよくかめないことで、認知症のリスクもそうですが、血糖コントロールの乱れなど様々な問題を引き起こします。
 風邪などとは違って「かめない」状態やむし歯は自然治癒しません。かめるようになるには、失った歯を補う治療を受けること、痛みの原因を取り除くことが必要です。もし、お口の中に何かがあれば、すぐにかかりつけの歯科医院を受診してください。
 いいづか歯科では皆さんが、健康維持の原点である「よくかんで何でも食べること」ができて、健康な体を維持することを願っています。そのためにも予防はとても重要です。

労災保険指定医療機関とは?

2018年10月19日

いいづか歯科は労災保険指定診療所です。労災指定医療機関とも言います。労働災害とは法律で定められた「労働中」もしくは労働にかかる「通勤中」の事故を指します。

不幸にも労災事故に遭ってしまった場合、労災保険指定医療機関で受診することにより、一時負担金などをお支払いすることなく安心して治療をお受けいただけます。

もちろん、労災事故には遭わないほうが良いと誰しも思うのですが、万が一、不幸にも労災事故に遭ってしまった場合の指針として覚えておいていただければと思います。

いいづか歯科では不幸にも事故に遭ってしまった患者様が、いいづか歯科に安心して通院し、治療を受けていただけるように、不幸な労働災害が無くなるようにと願っています。

夜中の歯の痛み!対処法としてはいけないこととは?

2018年9月22日

秋を感じる季節になりました。秋の夜長にちなんで、夜中の歯の痛みの応急処置をお伝えしようと思います。

夜中に急に歯が痛みだしたり、仕事中に激痛に襲われたりしたことのある方も、けっこういらっしゃるのではないでしょうか。もちろん、すぐに歯医者さんに駆け込めればそれに越したことはありません。でも、そうできないときもけっこうありますよね。そんなとき、まずはどんな応急処置をしたらいいのでしょうか。簡単にできる具体的な方法を少し覚えておきましょう。

まず、一番簡単な方法は、市販の痛み止めを飲むことです。たいていのお家には痛み止めが常備してあると思いますから、注意事項にそって服用し、痛みを一時的に抑えましょう。そうすることで、歯科医院に行くまでの少しの時間、なんとかしのぐことができます。
また、痛みがあり炎症が起こっていると思われる部分を、冷たいもので冷やすのも有効です。歯の痛みは、歯の中の血流が増して血管が膨れ、神経を圧迫することによって起こります。血液の流れを遅くすることにより、痛みを和らげることができるのです。具体的には「冷えピタ」などを張って外側から冷やす方法と、冷水や氷を口に含んで、歯を直接冷やす方法があります。

さて、歯痛の原因はさまざまですが、実は食べカスが痛みを増幅させていることもあります。食べカスが虫歯の穴や、歯茎に詰まっていると、歯の神経を圧迫してしまうのです。その場合は、歯ブラシなどで「注意深く」食べカスを取り除くことで、痛みを軽減できることがあります。

最後に、日本人にはおなじみの「正露丸」を使った方法があります。
意外にも「正露丸」の効能の一つには、歯の痛みを抑えることがあります。ですから「正露丸」を適量取り、虫歯の箇所に詰めることによっても、痛みを一時的に抑えることができます。
ギュウギュウに詰めると痛みが増すことがありますので注意が必要ですし、独特の臭いと味、色がお口の中に広がるのでおすすめできる方法ではありませんが。

上にあげた方法は、どれも簡単で、すぐできるものですが、あくまでも応急措置に過ぎません。ちょっとしたケガのように自然治癒することはありません。
虫歯があるということは、歯が虫歯の原因菌に感染しているということですから、早めに治療して、感染を食い止めなければなりません。

補足なのですが、歯が痛む時にしてはいけないことは
1・激しい運動 2・入浴 3・喫煙 4・飲酒 5・炭酸や甘味の摂取です。
どれも血流を増加させたり、歯に刺激をあたえたりと痛みが増大します。中でも飲酒は、一次的には痛みが治まりますが、後々強い痛みが襲ってきます。
虫歯になってしまった方の多くは、何もしていなくても歯がズキズキと痛む、という段階になって初めて歯科医院を訪れるようです。しかし、この段階では、たいてい「歯髄」と呼ばれる、歯の神経まで虫歯が達してしまっている状態です。
多くの場合は神経を抜かなければいけません。いいづか歯科では、皆さんが定期的に訪れて、虫歯を早期に発見するようお勧めしています。

虫歯を防ぐ方法とは?

2018年7月10日


歯科医院に行くと聞こえてくる「キーン」という機械音。あの音を聞くだけで、なんだか背中がぞくぞくして、歯がよけい痛くなるという人もいらっしゃるかもしれません。だれでも虫歯治療は嫌なもの、でもなってしまったら治療しないわけにもいきません。そこで、歯医者さん通いをなくすために、虫歯予防に力を入れるのは賢明な選択でしょう。

 さて、よく「甘いものを食べると虫歯になる」と言われますが、実際は、甘いものを食べる人がみんなそろって虫歯になるというわけではありません。虫歯ができるのは、歯がミュータンス菌と呼ばれる細菌に感染するからです。しかし、このミュータンス菌は、歯に付着した糖分を「えさ」として「酸」を作りだすので、単独では悪さができません。また、ミュータンス菌が酸を作りだすまで、少し時間がかかりますから、その時間内に適切な処理をすれば、虫歯になることはないのです。では具体的にはどうしたら良いのでしょうか。

まず、根本的な方法として、虫歯菌、つまりミュータンス菌の数を減らすことができます。これは簡単にいうと、しっかりと歯磨きをするということです。ミュータンス菌は、プラークの中にたくさんひそんでいますから、歯磨きによってプラークと一緒にかき出してしまえば、数を減らすことができます。そうすることにより、作られる酸の量が少なくなり、結果として虫歯ができにくくなります。

また、甘いお菓子や飲み物には、ミュータンス菌の大好きな糖分がたくさん含まれていますから、取り入れ方に気を付ける必要があります。お菓子をまったく食べないというのは難しいですから、食べるときには時間を決めて、食べたあとにはすぐにうがいや歯磨きをするようにしましょう。だらだらとお菓子や飲み物をとりながら何かするのは、虫歯のできやすい環境を作るようなものです

虫歯予防に役立つ習慣や方法はまだまだたくさんあります。いいづか歯科でも歯科衛生士たちが、効果的な虫歯予防の方法を親切に教えてくれます。いま、虫歯がある人もない人も、しっかり予防して、健康な歯で毎日の生活を楽しみましょう。少しでも不安なことがある方は、お気軽にご連絡ください。きっとよかったなあって思えますよ。

根の治療のその先に・・・

2018年6月12日

今までは根っこの治療(根管治療)について説明しました。いよいよ土台である「コア」と被せ物(クラウン)についてお伝えしたと思います。

歯科の被せ物やコアについて、時代の潮流は脱メタルに向かっています。いいづか歯科で採用している「ファイバーコア」と「メタルコア」、「セラミッククラウン」と「メタルクラウン」について簡単に比較してみましょう。

根の治療を終えると、被せ物を作ることになります。それにはコアとよばれる土台が必要です。コアは建物で言うところの基礎のようなものですので、どんなに立派なクラウンをかぶせてもコアがしっかりしていないと、様々なトラブルを招いてしまいます。極端な場合、せっかく残した歯の根を割ってしまい、抜歯に至ることもあります。

さて、そんなに大切なコアですが、ファイバーコアとメタルコアではどのように違いがあるのでしょうか。ファイバーコアは最近保険適応になりました。名前の通りグラスファイバー製で、歯の破折を防ぐことができる、歯を削る量が少なくてすむ事以外にも、さらに多くのメリットがあるファイバーコアですが、症状や状態によっては適応しにくく、メタルコアを選択する場合もあります。

コアの治療が終わるといよいよクラウンの装着による修復へと治療は向かいます。その目的は、「機能・形・美しさの回復」です。いいづか歯科で取り扱うクラウンは大きく分けると保険適応の合金製と保険適応外のセラミック製に分けられます。

メタルクラウンの最も良い点は、保険の適応内でできることです。しかし、前歯の場合は見える部分がプラスチック製で変色しやすいですし、笑った際には銀色の歯が口の中に見えることになります。歯茎が黒ずんでしまうこともあります。限定的ではありますが、保険で白いクラウンを装着できる場合もあります。しかし、セラミックのクラウンには美しさ、自然さではかないません。

一方、セラミックの場合は保険適応外です。見た目の自然さや美しさは当然で、かみ合わせの歯に対しての優しさ、汚れの付きにくさ、金属アレルギーへの心配がないなど、多くのメリットがありますが、最も強くお伝えしたいのは、歯と一体化するため、再びむし歯になるリスクは非常に低いという部分です。

セラミック治療を行う場合、いいづか歯科では「セレックシステム」を使用します。このセレックシステムは、ドイツ生まれの歯科用機器で、「短時間」「高精度」「経済的」にセラミックの歯を削り出すことができます。
セレックシステムのメリットは、不快な型取りの代わりにカメラでスキャニングを行う、治療が非常に短時間(最短1日1回の来院)、データが残っているので、万が一の破折でも安心、と多くのメリットがあります。

まずは、むし歯にならないことが大切ですが、不幸にも虫歯になってしまった場合に、「いかに自分の歯を長く使うか」という観点で治療を考えると、また別の見方ができるのではないでしょうか。
いいづか歯科では、皆さんが自分の歯を長く使い、美味しい物を美味しく食べられるような、豊かな生活を送ることを願っています。

どうして神経を抜いた(抜髄をした)のに痛みがでるのでしょうか?

2018年6月1日


前々回のコラムで、とても深い虫歯(C3)で神経まで感染を起こしてしまった場合、やむを得ず神経を抜くことがあるとお伝えしました。簡単にまとめると、虫歯の菌に感染してしまった神経をそのまま残しておくと、細菌がさらに奥深くまで侵入しとても危険だからです。
大切な神経を抜くということが、歯医者にとっても苦渋の決断と言えることがおわかりいただけたのではないかと思います。

神経を抜くと歯自体が弱くなってしまうことはお伝えしましたが、熱さや冷たさ、そして痛みも感じられなくなってしまいます。
しかし、ときどき神経を抜いたはずの歯が、また痛みだすということがあります。これは一体どういうことなのでしょうか。

もちろん、一度抜髄した歯の神経が自然と回復することはありません。では、何が痛みを感じさせるのかというと、歯髄(神経)の先の根尖部(根の先)です。
神経を取り除くときには、根尖部で神経を切断していますが、その先の部分には血液が流れています。様々な原因により、虫歯の細菌が再び歯の根っこを通って歯の外側の根尖部に達してしまい、そこが炎症を起こすと痛みを感じるのです。

そのメカニズムは以下の通りです。根尖に達した虫歯菌が活発に活動し数を増やすと、だんだんと根尖部を圧迫するようになってきます。この時点で痛みが出始めますが、程度が軽いとそれほど違和感がないこともあります。この状態を、一般に「根尖病巣(こんせんびょうそう)」がある状態と言います。では、根尖病巣に気付かず、さらに進行してしまうとどうなるのでしょうか。

先ほど触れたとおり、根尖部の先には血液が流れています。ですから、根尖病巣ができてくると、細菌と戦うために血液中の白血球が戦いを始めます。その際にできた白血球の死骸などを膿と呼びます。この膿がたまると、歯の奥で少しずつ圧迫が強くなってきて、根尖に痛みを感じるようになるわけです。

だれでも痛みを感じるのは嫌なものですが、痛みは体を守るための大切な防御反応です。歯が虫歯になった時に痛みを感じるのも、異常が起こっていることをわたしたちに知らせるためなのです。ですから、歯に痛みを感じたときにはできるだけ早く歯科医院に行き、歯科検診をうけてください。そうすれば、大切な神経を失う確率は格段に下がるでしょう。いいづか歯科では、このコラムを読んで下さるみなさまが、健康な歯で生活を十分に楽しめるよう心から願っています。

どうして根(神経)の治療には何回もかかるのでしょう?

2018年5月26日

前回は神経を抜く「抜髄」についてお伝えしましたが、その後の治療についてのご質問をいただきましたので、お伝えしたいと思います。

「虫歯が神経まで行っちゃっていますから、残念ですが神経を抜きましょう。」歯医者さんにそう言われて根管治療(抜髄後の根っこの消毒)を始めたものの、いつまでたっても終わらない。「一体いつになったら終わるんだろう?」なんて不安になったことがありますか。では、根管治療は本当にそんなに時間がかかるものなのでしょうか、ご説明します。

実は、歯の根管の治療の90パーセントは1〜3回で終わります。歯の神経を取る治療では、まず神経を取り、消毒して、薬を詰めるという3ステップを踏みますが、この際、歯の神経が通っている根管が多ければ多いほど時間がかかります。例えば、根管が1、2本の場合には、1、2回程度、3、4本の場合には2、3回程度かかります。しかし、ここで一つポイントがあります。初めて歯の神経の治療をするときに、神経の管が根管に残ってしまうと、何年かしてからもう一度やり直さないといけなくなります。ですから、神経の治療は一回目がとても重要です。さらに、歯の根管はとても細いため神経の治療は非常に繊細な治療です。10円玉の直径と同じ大きさの道具を駆使してお掃除と消毒を繰り返します。実際には歯の根管は直線ではありません。途中から分岐している場合もあります。お時間や回数がかかるのはそのためです。

さて、中には4、5回かけて、やっと終わる神経治療もあります。初めの治療がうまくいかず、根の先にウミがたまってしまうケースや、歯の痛みを我慢してそのままにしていたために、神経が死んで、根の中が腐ってしまうケースなどがあります。いずれの場合も根の中をまた消毒しなければいけないので時間がかかってしまいます。特に、以前神経を治療したことがある歯の場合、歯の中に細菌が入らないように詰めた硬いお薬が入っています。それを少しずつ溶かしながら消毒を行うので、その分時間がかかってしまいます。

また、これはまれなケースですが、治療が終わるまでに6回以上かかることもあります。これは、細菌が歯だけでなく、あごの骨まで広がってしまった場合です。例えば、神経の治療をしている途中に忙しくなって歯科医院に通えなくなる患者様がいます。その場合、時間が空いてしまうので、仮のふたのすき間から、細菌がどんどんと中に入り、周りの骨を溶かしてしまうのです。そうなると、歯だけでなく周りの骨が治るのも待つ必要があるので、余計に時間がかかります。イメージとしてはお腹に穴を開け創膏などを貼ったままにして、痛くない、忙しいからと放置していた状態です。そう考えるといかがでしょうか。

根管治療をできるだけ短時間で終わらせるためには、治療の一回目にできるだけ良い治療を受けることと、痛みがなくなったからといって安心して治療の間隔を開けすぎないようにすることが大切です。

次回は、神経を抜いたはずなのになぜ痛みがあるの?というタイトルです。

どうして神経を抜くのでしょう?

2018年5月19日


前回の「むし歯の進行度合い・C3」の部分でも触れた「神経を抜く」ということについてお伝えしたいと思います。

「なるべく神経を残したいのですが、虫歯が深くて神経までいっています。残念ですが仕方がありません、神経を抜きましょう。」
と私は歯医者さんに言われるままに神経を抜いてしまった歯が数本あります。その当時は、何も考えず「大変な治療をしているなあ」「これで痛みがなくなるなあ」と何も考えずに受診していました。歯科業界に入ってから知ったのは

「歯は神経を抜くと弱ってしまうから、できるだけ抜かない方が良い」

という事実です。知って愕然としました。抜かなくてはならないような大きな虫歯を作ってしまったことを今でも後悔しています。

どうしてそんなに大切な歯の神経なのに抜く治療が行われるのでしょうか。

まずは歯の神経の構造からみてみましょう。ご存じのように、どんな歯にも歯の中に神経と血管が通っています。レントゲン写真を撮ると、歯の中に黒く筋状のものが入っているのが見えますが、その部分が歯の神経がある「歯髄」と呼ばれる組織です。さて、歯の神経は歯によって数が異なります。前歯では1本、奥歯だと2〜4本ほどあります。この神経のおかげで、わたしたちは歯に触れたものが熱いのか冷たいのか感じることができます。また、虫歯になったときには、歯にしみる感覚で早期に発見することが可能になるのです。

歯の神経はどれも、顎の骨の中の太い神経にまでつながっています。そのため、1本の歯が悪くなっているだけなのに、ほかの歯全体も痛みを感じることがあるのです。また、歯の中の神経とは別に、歯の周り、歯と歯茎をつなぐ歯根膜と呼ばれる部分にも神経が張り巡らされています。そのため、たとえ歯の中の神経が治療でなくなってしまったとしても、食べ物の食感や歯がかみ合っているかどうかを感じることはできます。

では、どんな場合に神経治療が行われるのでしょうか。それは、主に虫歯の菌が神経まで達してしまった場合です。歯は表面から数えると、主に三段階の層に分けることができます。一番表面はエナメル質と呼ばれる硬い部分です。虫歯が浅く、エナメル質にできているだけなら、麻酔なしでも痛みを感じることなく歯を削ることができます。そして、その下には象牙質と呼ばれる少し軟らかい組織がありますが、虫歯がそこまででとどまっていれば、多少痛みを感じるとしても、やはり神経の治療は必要ありません。

では、虫歯菌がさらにその下、歯髄と呼ばれる組織まで進行していたらどうなるのでしょうか。もしも神経を腐らせているとしたら、菌に感染してしまった神経を放っておくわけにはいきません。取り除いて消毒することにより、それ以上菌が進行するのを防ぐ必要があります。

もちろん歯医者さんも歯の大切な神経を抜きたくはありません。しかし、一度感染してしまった場合には、最悪神経を抜くことが必要になると覚えておきましょう。
今はできるだけ神経を残す方向で治療を行う歯科医院が増えてきています。いいづか歯科でもできるだけ削らない、歯や神経を残す方向で治療を行っています。
最も大切なことは、そのようになる前に歯医者さんで治療を受けること、むし歯を作らないような生活習慣を身につけることです。

いいづか歯科では、虫歯にならないための予防が大切だと考えています。大切な歯を守り続けるためにも、定期的に検診を受けることをおすすめします。

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