虫歯ってなんでしょう?

2018年4月24日

今回は、歯を失う原因の一つである虫歯についてお伝えしようと思います。

ムシ歯予防のポスターを皆様は何度も見たことがあると思います。その中に描かれている「虫歯菌」を見たことがありますか。
「虫歯菌」は、いかにも悪そうな顔をしながら手に持った槍で歯を攻撃しています。
子どものころにそんな「虫歯菌」を見て、なんとなく「虫歯は、虫歯菌が歯を攻撃するからできるんだな」とイメージされた方も多いかもしれません。でも、本当のところ、虫歯はどうやってできるのでしょうか。

一言でいうと、虫歯の原因となっているのは特定の細菌です。代表的な虫歯の原因菌は、「ストレプトコッカス・ミュータンス」と呼ばれる細菌です。一般的にはミュータンス菌と言われていて、その菌に感染することにより、虫歯ができるのです。では虫歯がどのように「虫歯菌」に感染するのか、詳しく見てみましょう。

まず、食器の使いまわしなどで、主に家族から感染します。免疫機構が未発達な3歳までに感染してしまうことが大半です。この細菌は、歯磨きなどの清掃を行っても全て取り除くことはできませんが、菌の量を抑えることはできます。
いったん付着すると、倍々方式で数を増やしていき、食べ物に含まれる糖を、酵素を使って分解していきます。
この分解により、酸と不溶性グルカンと呼ばれる物質を作りだします。酸性雨に打たれ続けると、銅像や植物がダメージを受けるのと同じで、この細菌が出す酸は、歯の一番上の層である「エナメル質」を溶かしていきます。
以前のブログでお伝えしたように、「エナメル質」は宝石の水晶と同じほど硬い組織ですから、ミュータンス菌の作りだす酸がいかに強力かがよくわかります。
酸により「エナメル質」が溶かされたこの状態を、「脱灰」と言いますが、これが虫歯の始まりです。しかし、この段階ではまだ痛みを感じることはありません。

さて、この「脱灰」がさらに進むと、ミュータンス菌は「エナメル質」を突き抜けて、その下の組織、「象牙質」へとたどり着きます。この「象牙質」は、「エナメル質」よりも軟らく、虫歯が大きく広がっていくことがあります。この時点で、甘いものや冷たいものが歯にしみて、痛みを感じるようになります。虫歯がさらに進むと、虫歯がその下の神経にとどいてしまいます。そのため、熱いものなどもしみるようになるのです。

一度虫歯になってしまった歯は、どんなに頑張って歯磨きをしても、痛み止めのお薬を飲んでも治ることはありません。歯医者さんで治療を受けるしかないでのですが、それでも元気な歯と全く同じ状態にはできません。つまり、一度虫歯になってしまったら、二度と元には戻らないということです。予防はとても大切ですね。

いいづか歯科では、皆さんが虫歯のないきれいな歯で生活を楽しむことを願っています。歯科検診などをこまめに受けて、悪いミュータンス菌に負けない、美しい歯を保ちましょう。

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